19世紀フランス、厳しい自然と共に生きる山岳地帯の羊飼いたちが使っていた一脚。
サヴォワ地方の小さなアンティーク店で見つけました。
3本足には、当時の暮らしから生まれた確かな「理由」があります。
石畳や土間の凸凹、あるいは山の斜面。どんなに不安定な地面であっても、幾何学的に必ず3点が接地するこの椅子は、ガタつくことがありません。「不完全な場所でこそ安定する」という、機能から生まれた究極の形です。
背もたれには、幸運の象徴とも取れる三つ葉の彫刻。無垢材の力強い質感と相まって、そこにあるだけで空間の密度が変わるような、圧倒的な存在感を放ち、
プリミティブな力強さがあります。
釘を使わず、座面に足を貫通させて固定する伝統的な「くさび留め」の構造からは、当時の職人の確かな手仕事が伝わります。座るだけでなく、お気に入りのアートや植物を飾る台としても、その造形美が際立つように思います。
サイズ W43cm D43.5cm H79cm LH44cm